春から増える感染症 ロタウイルスって何?
先週から暖かい日が続き、一気に春の陽気が訪れました。
新入社員や新入生などさまざまな人が新しい環境に移る春は、人が大きく動く季節です。
ウイルスの抗体を持たずに抵抗力の弱い人にとっては、新しい環境で感染症にかかる可能性をはらむ時期でもあります。
インフルエンザや麻疹などの感染症は、最近もまだ耳にします。これらは大変要注意な感染症ですが、この要注意な感染症の中でも『ロタウイルス感染症』というマイナーな感染症はご存知でしょうか?
ロタウイルスは、乳幼児の急性重症胃腸炎の主な原因ウイルスとして知られています。5歳までの急性胃腸炎の入院患者のうち、40~50%前後はロタウイルスが原因です。
感染すると、2〜4日の潜伏期間(感染から発病までの期間)を経て、水のような下痢や嘔吐(おうと)が繰り返し起こります。その後、重い脱水症状が数日間続くこともあります。発熱や腹部の不快感などもよくみられる症状です。合併症として、けいれん、肝機能異常、急性腎不全、脳症、心筋炎などが起こることがあり、最悪、死に至る場合もあります。
子どもに多い感染症ではありますが、大人にも十分感染する可能性があるので注意が必要です。 手洗いうがいはもちろん、特に排便後や調理・食事の前には、大人も子どもも石鹸と流水で丁寧に洗い、よくすすぎましょう。 清潔を保つことが感染予防につながります。