奇跡の治療薬「ペニシリン」はカビから作られた!?
昨今、「サプリメントに有害なカビが混入した」というニュースが世間を騒がせています。
カビといえば、そろそろ始まる梅雨の悩みごとでもあり・・・、カビ=有害なものという意識が皆さんの中にはあるかもしれません。
しかし、不治の病とされていた病気たちの治療薬の元として活躍するカビがいることはご存知ですか?
今回は、奇跡の治療薬と言われた「ペニシリン」と、その開発者「フレミング」についてご紹介します。
多くの伝染病の治療薬を開発した偉人「フレミング」。
イギリスの細菌学者であったA.フレミングは、1929年に伝染病の抗生物質「ペニシリン」を発見しました。
「ペニシリン」は当時、治療は不可能とされていた肺炎や破傷風などの伝染病に有効な、世界で初めての抗生物質でした。
この発見は、医学の歴史上、最も重要な発見と言われています。
「ペニシリン」は食品に生えることの多いカビ、“アオカビ”からつくられており、この発見をきっかけにさまざまな治療薬が開発されるようになりました。
その後、「ペニシリン」が大量生産できるようになったことで、さまざまな伝染病に対しても大きな効果を発揮し、多くの人々が救われました。
奇跡の薬「ペニシリン」の最初の発見者であるA.フレミングと、再研究の後、精製・大量生産を可能にしたイギリスの病理学者H.W.フローリーと生化学者E.B.チェインは、その功績をたたえられ、1945年にノーベル生理学医学賞を受賞しています。
そのほかにも、我々日本人の食卓に欠かせないみそ、しょう油、鰹節やチーズなどにもカビの力は利用されています。
衛生や健康と、相反する言葉のように感じる存在のカビ。
実際には、人に有害なカビもいますが、我々の生活を支えるカビ、どちらも存在しています。
正しい知識をもって、有害なものには対策を、有益なものには感謝したいと思います。