冬に風邪が流行する理由とは?鼻粘膜が持つ驚きの防御機能
こんにちは、デンネツ広報担当です。
朝晩と一気に冷えるようになったこの頃、もうすぐ冬がやってくることを感じますね。
寒い季節になると、毎年インフルエンザや風邪が流行し体調を崩す方が増えます。しかし、その原因は完全には解明されていませんでした。
最近の研究で、「細胞外小胞(=EV)」が上気道感染に重要な役割を果たしていることがわかってきました。EVとは、細胞が放出する微小な粒子で、遺伝子やタンパク質などを含み、主に細胞間の情報伝達に使われる小胞の総称です。
鼻粘膜が病原体を検知すると、EVを大量に分泌し、体内に侵入しようとするウイルスに抵抗します。EVは、ウイルスが細胞に取り付くための受容体をもっており、ウイルスはそれを細胞と誤認して取り付きます。しかし、EVにはウイルスが増殖するために必要な機能がないので、ウイルスは増えることができずに死滅します。
つまり、鼻粘膜はEVを使ってウイルスを排除し、自身を守っているのです。加えてEV自体も抗ウイルス作用を持つタンパク質やmiRNAを含んでいます。
驚くことに、鼻の温度が5℃下がると分泌されるEVの量が約40%も減少し、その結果、鼻粘膜の抗ウイルス機能が低下することも確認されました。このことは、寒い季節に風邪やインフルエンザが流行する理由の一つと考えられています。
鼻の温度を暖かく保つと、感染症予防の効果が期待できるかもしれません。「頭寒足熱」という言葉がありますが、鼻は暖かくしておくのが良さそうです。
これらのウイルス感染症は、北半球・南半球それぞれ寒い時期に、交互に勢力を増しながら、毎年猛威をふるい続けています。
寒暖差で体調を崩しやすいこの時期は、より一層体調に気をつけて、睡眠不足や不摂生による免疫力低下を予防しましょう。