除菌関連・感染症対策の
豆知識・雑学BLOG

【感染症の歴史:コレラ】

こんにちは、デンネツ広報担当です。未だ猛威を振るう新型コロナウイルス・・・。

最近は、気温も下がり湿度が低くなったことで、インフルエンザをはじめとした他の病気にもかかりやすい時期となっててきました。

コロナウイルスの流行を一刻も早く落ち着かせるため医学は着々と進歩してきていますが、細菌が発見されるよりももっと前、同じ感染症の1つである「コレラ」を人々が収束させたお話を紹介します。

 

 時は1854年、当時コレラは発症後数時間で死に至るその急速性から、「絶対に死んでしまう病気」と言われていました。

しかし、なんと10日間のうちに収束したのです。

細菌が発見されるまで伝染病が流行る原因は、二つの説がありました。

 

 ・ミアズマ説: 瘴気(しょうき)という、病気を伝える悪いものを含んだ空気が蔓延し、病気を広げるとする説。

 対策としては、空気中をただよう瘴気に満たされないよう、換気をしたり、空気の綺麗な場所で過ごすなどする。

 (科学的な根拠に基づいた事実ではありませんでしたが、イメージから病気の蔓延していない、都心から離れた場所を選んでいたようです)

 

 ・コンタギオン説: 病気にかかった患者と接触する事で悪い何かが健常者に乗り移り病気を広げるという説。

 対策は、悪い何かに乗り移られぬよう、病人との接触を避ける、病人の使ったものに触らないなどする。

 


現代から見れば、このように病気をスピリチュアルな視点で見ることはあり得ないことですが、実際におこなわれたことは「密を避ける」「人との接触を減らす」など、我々が現在実施している感染対策とほとんど変わらないことがわかりますね。

 

しかし、これだけの対策をしてもコレラ収束には至りませんでした。

理由は、瘴気対策として、コレラ流行地域の下水(糞尿)をテムズ川に流したためです。

 


当時のヨーロッパでは、下水管理がうまくされておらず、街には糞尿の匂いが充満していました。

下水をテムズ川へ流したことによって悪臭は消えましたが、テムズ川の水は飲み水にも使用されていたため、結果としてコレラ菌を含んだ糞尿混じりの水を生活用水として使用することとなり、患者は急増しました。

 

 同年、コレラ禍のロンドンで医師ジョン・スノーの処置と、副牧師ヘンリー・ホワイトヘッドによる詳細な観察とデータ収集により『コレラの原因は住民が飲んでいる「水」にあるのではないか』と考え、コレラが流行っている地域の井戸を閉鎖しました。

これにより、コレラは10日間で収束することができました。

 

 動物と同じように進化を繰り返している病原菌、新型コロナウイルスは現代の医療を持ってしてもなかなか壊滅に至ることができませんが、コレラのように素早く収束へ向かうことを願うばかりです。 

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